本日(7月20日)、桑原武敏区長に話し合いによる解決を求めた要望書を提出しました。要望書は野宿者有志 、渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(のじれん)、聖公会野宿者支援活動・渋谷の連名です。
10時20分に私たちは桑原区長に要望書を手渡すため、区庁舎の四階に出向きました。私たちを取り囲んだ四名の警備員に「区長さんにお会いしたい」と 伝えたところ、約10分ほど待機させられたのち、桑原区長ではなく公園課長と経理課管財係長が私たちのもとに現われました。
私たちは「区長に手渡すよう」伝えたうえで、書面の趣旨を説明し、公園課長と経理課管財係長に要望書を手渡しました。
要望書を受け取る区職員 |
渋谷区、桑原区長は有無を言わせぬ排除、封鎖を行ない野宿者の生活を壊すのではなく、その場所で命をつないでいる人たち、支援活動を続けてきた人たちの言葉に真摯に耳を傾け、話し合いに応じるべきです。
■そのころ、桑原区長は…
私たちが話し合いを求め、要望書を提出していたころ、姿を見せなかった桑原区長はといえば、煌煌と明かりのついた区長室で、立ったり座ったりウロウロしている様子でした。区庁舎前の広場からその様子は多くの人たちに見えてしまっていますよ!
区長室の机の周りをウロウロするのではなく、渋谷で生活をしている人たちの生の現実をまず自身で知るところから始めてください。
居留守を使わず、 今後はきちんと応対していただくよう御願いします。
煌煌と明かりのついた区長室 |
私たちはあくまで平和的な話し合いによる問題解決を望んでいます。今後も私たちは継続的に話し合いを求めていきます。人びとの生活や命の重みは区庁舎や区長室の中にではなく、その外にあるのです。
渋谷区長 桑原敏武殿
6 月11 日早朝に渋谷区によって行われた美竹公園および区役所人工地盤下駐車場の封鎖により、区役所人工地盤下駐車場に寝泊まりしていた野宿者たちは突然寝場所を失い、美竹公園の野宿者たちは、フェンスに取り囲まれ行動の一切を警備員に監視されるという人権を侵害された状況におかれているだけではなく、その場から追い出されようとしています。
また今回の排除により、野宿者支援団体である「渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合」、「聖公会野宿者支援活動・渋谷」も、共同炊事などの支援活動を行う場所を失いました。
このように、このたびの渋谷区による野宿者排除は、「寝る場所」と「食事の場所」という、人が生きていくために必要不可欠なものを野宿者から奪いとる行為であり、さらにそれを一言の告知もないまま突然行ったことは、人のいのちを著しく軽んじた行為であって、到底許されるものではありません。
私たちは、これらの行為を行っている渋谷区に対して抗議します。特に、私たちが再三にわたり話し合いを求めてきたにもかかわらず、一度も話し合いに応じないまま、美竹公園における行政代執行の手続きを進めていることに強く抗議し、美竹公園と区役所人工地盤下駐車場の封鎖の即時解除と、美竹公園における行政代執行の手続きの撤回を求めます。
私たちは、話し合いによる解決を求めます。話し合いの場を早急に作ってくださいますよう、ここにあらためてお願い申し上げます。
2012 年7 月20 日
野宿者有志
渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合
聖公会野宿者支援活動・渋谷